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狭心症、心筋梗塞について③

循環器内科

今回は虚血性心疾患の治療について解説します。

狭心症や心筋梗塞の治療は薬物治療、心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス手術を組み合わせて行います。薬物治療は薬剤で冠動脈(心臓の血管)を拡張させて血流を増やしたり、心臓の負担を減らしたりすることで、狭心症発作の予防や心筋梗塞の範囲を軽減させます。

しかし、薬物治療だけで症状が改善しない場合や、冠動脈の狭窄(狭いこと)が非常に強い場合、冠動脈が完全に詰まっている場合は心臓カテーテル治療や冠動脈バイパス手術が選択されます。どちらを選択するかは狭窄部位や病変性状、患者様の状態により決定いたします。

今回は循環器内科の領域である、カテーテル治療について説明いたします。

カテーテル治療は心臓カテーテル検査と同様の方法で行うことができ、身体への負担が少ないことが特徴です。ガイドワイヤーという細い針金を冠動脈に通した後、医療用の風船で狭窄部位を拡張し、金属製の編み目状の筒(ステント)を留置いたします。ステントは主にコバルトやクロムの合金であり、一度留置したステントは取り替えることはありません。入れた直後は金属が剥き出しの状態ですが、徐々に血管の細胞に覆われていきます。

手首や足の付け根のみの麻酔のため、治療中は会話をすることが可能です。患者様の状態によって変更はありますが、狭心症であれば多くは1泊2日で治療が可能です。