狭心症、心筋梗塞について②
今回は虚血性心疾患の検査、診断について解説します。
■問診
まずは医師による問診を行います。どんな時にどのような症状が出るのか、症状はどの程度持続するのか、他に持病(糖尿病や高血圧など)がないか、などをお尋ねし状況を把握します。
問診の後に、医師が以下の検査を選択し行います。
■心電図
心臓の電気的な動きを身体につけた電極で記録する検査です。心臓の筋肉が酸素不足に陥ると心電図に変化が現れるため、診断の重要な手掛かりとなります。しかし、発作があるときのみ変化が現れるため注意が必要です。運動により心臓に負荷をかけた前後で心電図検査を行うこともあります。
■血液検査
心臓の筋肉のダメージを調べる検査です。通常、狭心症では血液検査で異常が出ることは少ないです。心筋梗塞やそれに近い状態の場合は異常を認めますが、発症早期の場合は異常がまだ出ないことがあります。また、虚血性心疾患のリスク因子となる糖尿病やコレステロールについても評価します。
■心臓超音波検査
心臓の動きや機能を調べる検査です。心筋梗塞になると、障害を起こした部位で心臓の動きが悪くなります。
■心臓CT
造影剤という薬剤を使用し、心臓の血管に狭窄(狭くなること)や閉塞がないかを確認します。
これまで心臓CTは形態的な評価(狭いところがあるか)のみであり、どの程度影響を及ぼしているかを判断することが難しかったですが、FFRCTという新たな検査が登場しました。FFRCTは心臓CTのデータを解析することで治療の必要性について判断することができます。FFRCT解析の導入には厳格な施設基準が設けられており、現段階では全国でも導入可能な施設はまだ少なく、検査については医療機関にお問い合わせください。
以上のような検査を用いて病気の診断を行います。
狭心症や心筋梗塞は問診も非常に大切な要素であり、いつ、どの程度、どのような症状があったか、などについては記録しておくことで医師も適切な検査を行うことができます。